EXIT103

地下プロレス『EXIT-103 CORE:C2』
2012年3月11日(日)開始:19:00
会場:東京・新宿歌舞伎町二丁目『CORE STADIUM』

<第1試合>
○日龍
(日龍スリーパー)
●入道

<第2試合>
○ブラック・トムキャット
(チキンウイング・フェイスロック)
●三州ツバ吉

<メインイベント>
○富豪2夢路、高岩竜一
夢路(裸絞め)竹嶋
●小笠原和彦、竹嶋健史

“富豪2夢路”命名10周年! 記念の一夜に因縁の顔ぶれが集う 3・11 地下プロレス『EXIT-103 CORE:C2』

3月11日、地下プロレスの聖地・新宿歌舞伎町二丁目「CORE STADIUM」において、『EXIT-103 CORE:C2』が開催された。
奇しくもこの日は、あの東日本大震災からちょうど1年が経過した特別な一日。昨年は、3・13に同じくCORE STADIUMにて地下プロレス『EXIT-64 CORE:U』が開催される予定だったが、2日前に列島を直撃した大震災の影響により、試合開催はあえなく中止。しかし何かの使命に追われるように地下戦士と地下フリークが、中止を知りながら新宿の聖地に集結したため、急遽入場料を無料として、10分間限定で歴史に永遠に残る闘いが繰り広げられたのだ。
あの伝説の一夜から一年。特別な一日の中で、これまでと変わらずに地下のリングがある喜びを、選手も観客も心の中でしっかりと共有していたに違いない。

【第1試合】
“ジャパニーズ和尚”日龍
vs.
“地獄妖怪”入道

富豪2夢路がベトナムより直輸入した伝統武道「ボビナム」。その夢路がベトナムにて「マスター・フゴ」の称号を得て、ついには地下戦士養成基地たる飯田橋「AJITO」を本拠に「日本ボビナム協会」を発足させたのは、熱烈なる地下フリークならばご存じのことであろう。
マスター・フゴ師範とともに、指導者として日本国内へのボビナム普及を担うのが、“ジャパニーズ和尚”日龍だ。夢路とともにボビナムの研鑽に努める傍ら、ハードな肉体改造で、目下めざましいシェイプアップを続けている。
いつものようにタイの読経に乗り、法衣姿で入場してきた和尚。法衣の下には、青色のボビナム道衣を纏っている。そしてその道衣も脱ぎ、上半身裸になった時、客席が少なからずどよめいた。肉体改造がさらに進んでいたのだ。
自らの肉体をさらに鋭く研ぎ澄ませた日龍の動きは、まさに軽快そのもの。得意の回転体で繰り広げる寝技もスピードアップとともに威力も増したかのよう。入道を巨体を簡単にひっくり返して見えたカニ挟みも、ボビナムの影響であるように見えてしまう。
ボビナム殺法で入道を翻弄した日龍は、仕上げとばかりに大きくジャンプ一番、空中で両脚を入道の頭部に巻き付け、そこから見事に入道をマットに回転させてみせる! ボビナムの大技「ドンチャンソサウ」だ。秘技を鮮やかに決めた日龍は、すかざず入道の背後に回り必殺の日龍スリーパー。黄金の必勝パターンを開発した日龍が、鮮やかな完勝を収めた。

【第2試合】
“カナディアン・タイガー”ブラック・トムキャット
vs.
“銀座の鉄人”三州ツバ吉

名うてのレスリング巧者が集ったこの日の地下プロレス。カナダの虎と三州が繰り広げた重厚なグラウンド合戦も、地下フリークを大いに満足させる好勝負だった。
柔道・柔術のバックボーンを経て、そして地下のリングで磨きをかけたグラウンドレスリングを、空手仕込みの蹴りを交えながらブラック・トムキャットにぶつけていく三州だが、やはりカナダの虎は老獪。三州が次々仕掛ける果敢な攻めを、器用に体を入れ替えながらかわし、そして逆転のストレッチ技で銀座の鉄人をじわじわ追い込んでいく。カルガリーの虎の穴「ダンジェン」の猛者であったカナディアン・タイガーの技術は、看板に偽り無しなのだ。三州を一瞬でタップアウトさせたフィニッシュのチキンウイング・フェイスロックも、さすがの斬れ味であった。

【メインイベント】
“頭突鬼世界一”富豪2夢路 & “超竜”高岩竜一
vs.
“足技の魔術師”小笠原和彦 & “タックル将校”竹嶋健史

震災から1周年のメモリアルデーだったこの日の地下プロレスには、実はもう一つのメモリアルが存在した。
奇しくも今年は、地下の牢名主・夢路が、尊敬してやまない恩師・“破壊王”橋本真也氏より「富豪2夢路」(ふごふご・ゆめじ)の名を与えられてちょうど10年の節目の年なのだ。その記念すべき日が、10年前の3月9日。この日を境に、遅咲きの質実剛健レスラー・藤崎忠優は、頭突きモンスター「富豪2夢路」に変身を遂げたのだ。
そして夢路がダンスを踊るリングには、パートナーとして高岩竜一、対戦相手として小笠原和彦と竹嶋健史が待ち構える。高岩と小笠原は、言うまでもなく夢路の古巣である、破壊王率いる「プロレスリングZERO-ONE」の戦友である。そしてこの中で一人飛び抜けて若い竹嶋は、藤崎忠優が富豪2夢路に生まれ変わった記念すべき初試合を、客席から観戦していたという因縁を持つ。偶然か地下組織の思し召しかは定かではないが、夢路メモリアルの一夜にふさわしい四人が、メインのリングに集った。

夢路のレスリング、高岩のパワー、小笠原の空手が、ゴングが鳴るや否や凄まじい火花を散らし合ったことは言うまでもないが、特筆すべきは竹嶋のレスリングの成長ぶりである。昨年より試合内容が俄然向上してきている竹嶋だが、夢路と高岩に高速タックルをぶち込み、グラウンドでも両者を幾度もエスケープに追い込む姿は頼もしさすら感じられた。
しかし竹嶋の攻めを頑と受けきった夢路は、自らの十周年を獰猛この上ないフィニッシュで締めくくった。世界一の頭突鬼を竹嶋に二発叩き込むと、竹嶋の額がまたしてもおびただしい大流血! そして夢路がすかさずスリーパーで絞めあげると、竹嶋の頭からさらに鮮血が絞り出され、試合がストップされた。なんというメモリアルマッチなのだろう…!

試合後は地下戦士たちがリング上に集い、一同で万歳。その光景は、この特別な一夜が過ぎた後も、変わらずこの新宿の聖地で激闘を続けることを誓い合う儀式のように見えた。

前のページに戻る